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日本原子力研究開発機構 幌延深地層研究センターを視察

9月6日(土)から8日(月)にかけて、北海道幌延町で研究が進む「日本原子力研究開発機構 幌延深地層研究センター」を光野稔会長以下8名で訪れ視察しました。

この研究センターでは、原子力発電所の使用済燃料を再処理する際に出る高レベル放射性廃棄物の最終処分として深地層に埋設するための試験研究を行なっています。

6日(土)夕刻、現地に最寄りの稚内市に到着した一行は、この日は原子力発電環境整備機構(NUMO)の講師による事前勉強会を行ないました。この勉強会では、原子力発電所から出る放射性廃棄物の種類と処分方法、地層処分の概要と必要性、地層処分地選定の現況などについて説明を受けました。

地層処分の安全性については、地下300m以上の深部は酸素が少ないため物質が変化しにくく地下水の動きも遅くなること、また地震の揺れによるひずみがほとんど生じないことなどから、最も安全性が高く現実的な処分方法であると説明があり理解を深めました。

翌7日(日)は、稚内市から車で約1時間離れた幌延町の研究センターに移動し、地下の試験研究施設等を視察しました。こちらでは、平成13年に地上からの調査研究を開始し、平成26年に深度350mの坑道掘削が終了。現在その地下施設で様々な地層処分技術の研究開発が行われています。

到着した一行は、最初にセンターの概要説明を受け、その後作業着に着替え安全具を装着したうえで、工事用エレベーターに乗り込み地下350mまで降りました。

ここでは、岩盤の特徴調査、地震時の揺れの測定、高温下での性能試験、高レベル放射性廃棄物を模した物体の埋設試験などが行われています。さらに現在、深度500mまで立坑の掘削が完了しており、今後更なる試験研究が行われる予定です。

この研究センターには放射性廃棄物を持ち込まない、研究終了後は地下施設を埋め戻す、最終処分場や中間貯蔵施設にはしないことが北海道・幌延町との間で協定されています。

今回の視察を通じて、これまで資料等でのみ見聞きしていた埋設処分について、その重要性と安全性を深く理解することができ大変有意義でありました。

また、原子力発電所が立地する福井県としては身近な問題として捉え、理解することの必要性を感じました。

・今回訪れた幌延町の草分けは、明治32年 福井県団体15戸が下サロベツ原野に入植したことが始まりです。(幌延町HPより)

・この視察会は原子力発電環境整備機構(NUMO)の委託先である日本原子力文化財団が運営する「選択型学習支援事業」への参加により旅費等の支援を受け実施しました。