会員の広場
␣10月21日(月)15時から、福井県県民ホールにおいて会員等88名が出席し、令和6年度の会員懇談会を開催しました。冒頭、光野稔会長があいさつし、その後、(株)シャトレーゼホールディングス取締役管理本部長の小黒克也氏を講師に迎え、「企業の成長を支える“企業理念と人材戦略”」と題しての講演が行われました。
<光野会長あいさつ要旨>
10月1日に発足した石破内閣は、所信表明演説において「賃上げと投資がけん引する成長型経済」の実現に向けて生産性向上や官民投資の加速に力点を置く姿勢を示しました。日本経済はデフレから抜け出しつつあり、賃金上昇率、名目経済成長率が高まるなど新たな局面を迎えている中、週末の27日には衆院選が行われます。結果は分かりませんが、力強い経済成長に向けた国政を期待したいと思います。
␣一方、県内経済を見ますと、新幹線開業効果により賑わいが増し、全国大会や各地でのイベントも色々と開催され経済が活性化しているように思えます。しかしながら、人手不足や原材料価格の高騰は続いており、人口減少や環境問題に対する対応なども待ったなしです。持続的に県内経済が成長していくよう今後も官民挙げて取り組んでいく必要があると思っています。 先日の日本経済新聞のコラムで、日本経済再生への指針として、「人口減少を前提に賢く縮む」という提言がありました。これからの日本は「人口減少の危機感を煽り巨額の財源を投じて対策を講じるよりも、人口減少を受け入れ、人口が減っても国民のウェルビーイング(心身の健康や幸福)が高まるような方向を示すべき」また、「人口減少を前提に労働参加拡大と一人当たりの生産性向上を高めていく」ことが必要というものでした。この話は人口減少対策総合研究所の河合理事長の著書「未来の年表」でも同じような提言を見たように思います。
␣本日は、(株)シャトレーゼホールディングス 取締役管理本部長 小黒 克也(おぐろ かつや)様に講演をお願いしました。経営理念の社内浸透、人材育成、コンプライアンス関係のお話など貴重なお話が聞けると期待しております。 本日の会員懇談会が、皆様にとりまして有意義なものとなりますよう祈念して、開会のごあいさつとさせていただきます。
<小黒克也氏 講演概要>
␣企業の成長には、企業理念が不可欠であります。この企業理念を組織全体に浸透させるためにも、明文化することが重要です。明文化することで、①組織の向かうべき方向性をはっきりさせる②社員の日常行動や判断基準の原点となる③社会からの信用・安心を得ることに繋がります。シャトレーゼの成長を支えたのも、企業理念を愚直に実践してきた結果だと思います。シャトレーゼでは、「お客さま」「お取引先様」「従業員」に喜ばれる経営という「三喜経営」を掲げ、常にお客様に喜んでもらうために何ができるかという目線でTOP・経営者はもちろん、全従業員が考え、判断します。
␣しかしながら、企業理念は、規模が拡大し、時間が経過することで希薄化することもあり、理念を伝承することが極めて重要になってきます。この、企業が掲げた理念および経営戦略に基づいて、人材戦略を策定いたします。理念や経営戦略をどのように制度設計や人事オペレーションに連動させるかがポイントになります。人材戦略といっても、人材確保・人材育成等幅広い課題を解決することが求められますが、結論、個人と会社がWin-Winの関係、すなわち、個人は仕事を通じて、自己成長・自己実現につながり、会社は事業の成長につながることを実現していくことかと思います。これを実現する基盤となるのは、上司・部下のコミュニケーションです。コミュニケーションを通じて、個々人にあわせた育成を考え・実践していくことが上司の役割・責任です。
␣昨今の激変する社会環境に伴い、責任者に求められる役割も拡大しておりますが、基本は①企業理念の実践・伝承②個人の意欲を喚起し、挑戦の場を提供③公明正大・公平公正の実践 これらのことを責任者自ら率先して実行することが、最も重要なポイントになります。
<フラステージ>
続いて、クニエ・サカイ・フラスタジオ(令和6年2月新入会員)総勢23人の出演者によるフラステージが行われました。ハワイで古くから神々に捧げる踊りとして受け継がれてきたフラを学んでいるダンサー達が華やかな衣装に身を包み、一糸乱れず踊るステージは力強く美しく、そして壮観でした。
␣懇親会には、会員67名に加え講師の小黒氏にもご参加いただき、有馬茂人副会長(敦賀海陸運輸(株)代表取締役社長)の乾杯により開宴し、会員同士が大いに親交を深めました。最後は塚本明副会長(北陸電力(株)福井支店 執行役員福井支店長)が中締めをし、会員懇談会を終了しました。